2009年6月 7日 (日)

わかりやすさ

今日の話題は最近読んだ医学雑誌などに掲載されていたものです。

われわれ医師が何気なく使っている言葉が実は患者さんへ正確に伝わっていない事があるという内容です。

例えば「ショック」という言葉です。

一般的には「急に加わる強い衝撃」や「予期しないことに出会ったときの心の動揺」を表す言葉ですが、医学的には「急激な末梢血液循環の不全状態」という意味で、「血圧および体温の低下、意識障害等を来し、重症の場合、脳・心臓・腎臓などの機能障害を招来して死に至る可能性がある状態」で「出血・外傷、細菌毒素の作用などが原因」となります。

医学的に「ショック」とは「重篤な状態」になるわけですが、この「重篤」も文字を見たら意味が分かる方が多くても、「ジュウトク」という言葉だけを聞いたら、ピンと来ない方が半数以上いたというアンケート結果も報告されています。

ちなみに「重篤」は「症状がいちじるしく重いこと」という意味です。

また、冷え性のある患者さんに『冷感はありますか?』と質問したら、『えっ?!私には「霊感」なんてありません!』という笑い話のようなケースもあるようです。

同じ症例で「レイノー現象」を「霊能現象」と勘違いしたというエピソードも紹介されていました。

「寒冷時に四肢末端、特に両手指につよい乏血をおこし指先が蒼白(チアノーゼ)になり、痛み、冷感、しびれ感を自覚し、次いで血液の流れが回復すると、逆に充血し赤くなる現象」を「レイノー現象」といいます。

これらはほんの一部の事例であり、実際の診療において、患者さんやご家族にわれわれ医療従事者の説明を正確に理解してもらえていない可能性も少なくないのかもしれません。

患者さんと同じ目線に立ち、分かりやすい言葉で日常の診療に従事したいと思います。

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2009年6月 3日 (水)

音楽の力

音楽にはいろんな力があると思います。

勇気付けられたり、心を洗われたり、癒されたり・・・

今回は自分が若い頃に大きな衝撃を受けた、とても懐かしい音楽を紹介したいと思います。

高校生の頃は音楽好きな友達とバンドを組んで、自分たちの好きな曲をコピーしていました。

1980年代に活躍していた尾崎豊、Hound Dog、爆風スランプ、BLUE HEARTSなどの曲です。

1987年、自分が高校3年生の頃に、核廃絶や世界平和を訴える『広島平和コンサート~平和が良いに決まってる~』というコンサートが開催されました。

高校生の頃に自分が大好きだったミュージシャンがほとんど参加しており、TVにかじりついて見ていた事が懐かしく思い出されます。

先日、動画サイトのYouTubeを観ていた時にたまたま『広島平和コンサート』のテーマ曲を目にすることが出来ました。

自分を、一時的にしろ、音楽の道へ導くきっかけになった曲の一つであり、万感の思いでした。

日本のBAND AID、USA for AFRICAとも言えるこの2曲、自分と同世代だけではなく、今の若い人達にも当時の音楽の力を感じて欲しいと思います。

今は亡き尾崎豊の圧倒的な存在感が印象的です。

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2009年5月26日 (火)

応援

気がつけば3ヶ月振りの更新になってしまいました・・・

先週末は学会のついで(?)に空手の先生の試合の応援に行ってきました.

昨年の10月から肉体改造を行い,さらにパワーアップした森健太先生は重量級に出場,無難に1日目を通過しました.

2日目の準々決勝は今大会の『最強の刺客』と言われる白蓮会館の世界チャンピオン北島悠悠選手と対決しました.

事実上の決勝戦とも言えるこの試合は,リーチで勝る北島選手の鋭い前蹴りや膝蹴りを上手く捌き,インファイトに持ち込んで効果的な下段蹴りや下突きなどで応戦,最終延長までもつれ込む厳しい接戦を制し,見事勝利しました.

続く準決勝では今大会の重量級を制した村山選手に惜敗しましたが,肉体改造の効果が十分に見られる場面も多くありました.

もともとは中量級で『七色の蹴り』と評されるスピードのある華麗な組手を得意としていた先生が,世界へ挑戦するために重量級へ階級を上げたわけですが,この4年間はいろいろな試行錯誤や葛藤があり,辛く苦しい日々も多かったと思います.

残念ながら今大会の頂点に立つことはできませんでしたが,将来へつながる重要な『何か』を掴んだのではと感じました.

今後の森健太先生が楽しみです.

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2009年2月26日 (木)

更年期障害

約1ヶ月ぶりの更新ですが,今回は最近目にした記事に触れたいと思います.

1つ目は「更年期障害」についてです.みなさんも良くご存知のありふれた病名ですが,女性の病気と認識されている方が多いのではないでしょうか?しかし,男性にも「更年期障害」は起こるのです.

現在では『加齢男性性腺機能低下症候群』という概念が普及してきており,診断や治療法に関するガイドラインも整備されています.女性は閉経などをきっかけにホルモンバランスが急激に変化するため,症状が比較的わかりやすいのですが,男性のホルモン変化は徐々に起こるため,心身症や不定愁訴的な扱いを受けることもしばしばです.

血中の男性ホルモン(遊離型テストステロン)を測定し,基準値より低い場合は男性ホルモンの補充療法の適応ありとなりますが,漢方療法や個々の症状に対する薬物療法が有効な症例も少なくありません.

現在,国内で認可されている男性ホルモンは注射薬しかなく,保険適応でないため,全額自己負担となります.これに対し,女性の更年期症候群に対する治療は内服薬やパッチなどの経皮吸収剤が使用でき,保険診療が認められています.男性における「更年期障害」も早く一般に浸透し,経皮吸収薬の認可や保険診療の適応になることが望まれます.

2つ目はダイエットの話題です.米国立衛生研究所(NIH)のグループが医学界では著名な雑誌である『The New England Journal of Medicine』に報告した論文ですが,肝だけ話すと「炭水化物や脂肪の摂取が多くても体重減量は摂取や消費カロリー次第」という内容です.

ダイエットに関する知識を少しでもかじった事のある人は「基礎代謝+運動で消費するカロリー>食事による摂取カロリー」の大原則が頭に浮かぶと思います.ごく当たり前の内容が世界でも有数の医学雑誌に掲載されるので驚きです.ただし,この研究では「食物繊維など心臓に良いものが多く,心臓に悪い飽和脂肪酸やコレステロールが少ない」という内容を含んでいることを付け加えておきます.

1月に比べて,2月は暖かい日が多く,福岡では去年に比べてインフルエンザの流行は少なく,今シーズンの流行は終息に向かっているようです.最後の最後でインフルエンザにかからないように気をつけたいと思います.

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2009年1月21日 (水)

ビタミンBと癌

今シーズンの冬は、ここ2,3年の中では寒い日が多く、冬らしい天気が多いような気がします。今週末も天気予報では雪マーク。厳しい寒さになりそうです。

さて、今日は最近の医学雑誌で目にした記事を紹介したいと思います。「サプリメントして葉酸とビタミンB群を積極的に摂取すると癌を予防するか?」という内容です。以前から推進派、否定派と両方の報告があり、はっきりとした結論は出ていませんでした。今回の報告は心疾患を持った患者さんをサプリメントとして葉酸とビタミンB群を積極的に摂取する群と摂取しない群に分けて追跡したものです。結論は「葉酸とビタミンB群の摂取は癌のリスクに関係しない」、要するに摂っても摂らなくても同じという内容でした。ただし、これは全体的な結論で、年齢などで分類すると少し内容も変わってくるようです。例えば、65歳以上の女性に絞れば、サプリメントとして葉酸とビタミンB群を摂取すると乳癌を予防する可能性があると報告されています。癌の予防というのは非常に重要な事柄で、対象の中で利益、不利益が出る可能性があるため、大規模で客観的な研究が難しく、はっきりとした結論はなかなか出ないのかもしれません。

福岡県下でもインフルエンザによる学級閉鎖の報告が増加しており、いよいよ本格的な流行が始まりそうです。今年はA型が多く、例年より流行が若干早いようです。今までこのブログでも何度も書きましたが、予防には①手洗い、②うがい、③人ごみを避ける(外出するときはマスクを着用)、などが有効です。

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2009年1月12日 (月)

ノロの次は・・・

この冬一番の寒波の影響で福岡の市街地でも雪がちらつき、厳しい寒さが続いています。先週の金曜日は福岡市東区吉塚にある十日恵比寿神社に行ってきましたが、最近の不況の影響か大変な人出でした。私の職業で「商売繁盛」というのは、病気の方が増えるということで、不謹慎だとお叱りを受けそうですが、より良いクリニックを皆様に提供するということでご理解いただきたいと思います。

話は変わりますが、年末年始にノロウィルスによる感染性胃腸炎にかかり、大変な思いをしたという話を何人かの患者さんから伺いました。ノロウィルスによる感染性胃腸炎はヒトからヒトへの接触感染や食品を介する食中毒により発症します。潜伏期間は1-2日で、嘔気・嘔吐、腹痛・下痢、発熱などの症状が認められ、症状が続く期間は1-2日と短期間です。発症のピークは11月から12月ですので、峠を越えたと考えてもいいかもしれませんが、ノロが終われば次はいよいよインフルエンザです。

国立感染症研究所からの昨年12月24日集計分の報告では、北海道や本州で感染が拡大しており、今シーズンはA型が多いとの事で、インフルエンザの治療薬である「タミフル」耐性のウィルスも検出されているようです。九州ではまだ爆発的な流行は起こっていませんが、全国的な流行のピークは1月下旬から2月初旬と予想されています。確実な予防法というものはありませんが、手洗い・うがいやマスクの着用など小さな積み重ねが有効です。

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2009年1月 4日 (日)

仕事始め

正月三賀日も終わり、いよいよ明日は仕事始めです。医者になってから、いわゆる正月気分というものを味わったことがほとんどなく、今年もちょっと長い連休が終わって、普通に仕事を再開するような気分です。

今年は、昨年に比べ、年末年始の食事に多少気をつけたせいか、いつもなら5~6kgの体重の増加も今回は半分程度でした。とはいって80kg超と少しだぶついています。早速、今週からトレーニングや空手の練習を再開し、目標の体脂肪率15%へ少しでも近づけたいと思います。

今年からは月曜の午前中も診療を開始し、月曜から金曜は午後6時半まで延長します。少しでも地域医療そして健康維持に貢献できるように地道にがんばって行きたいと思います。

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2008年12月30日 (火)

大晦日前日

いよいよ明日は大晦日,今年も残り1日となりました.昨年末の反省を踏まえ,いくつかの計画や目標を立てましたが,ほとんど達成できませんでした.自分の心の弱さに,穴があったら入りたい心境です・・・

来年の日常生活に関する目標は,①遅刻をしない,②常に安定した気持ちで仕事に接する,③感謝の気持ちを持って分相応の生活をする,以上の3つです.気が短く,気分の波が大きい自分にとっては,①以外は難しい目標ですが,自分を律する意味でも,しっかり取り組んで行きたいと思います.

空手や趣味に関する目標は,①体脂肪率15%,②週2回以上のトレーニングを継続(特にランニングで基礎体力の向上を図る),③柔軟性の向上(開脚120度以上),以上の3つです.現在,体脂肪率が18%前後と思われる自分の老体ですが,①と②は達成できないことはないレベルですので,しっかりがんばりたいと思います.一番の問題は③です.学生の頃から「鋼の股関節を持つ男」と呼ばれ,当時の整骨院の先生からも「硬いねぇっ!!」とさじを投げられた私の柔軟性・・・.3日もストレッチをサボればガチッと硬くなります.自分も医師の端くれ,様々な解決法を探しましたが,答えは見つからぬまま現在に至ります.しかし,「一歩でも遠くへ」ではありませんが,「一度でも広く」開脚できるように,愛用の開脚マッスィーンを使って日々努力したいと思います.華麗な上段回し蹴りによる一本勝ちを夢見て・・・

今年最後の書き込みがこんな面白くもない話になったことをお許しください.

皆さん,良いお年をお迎えください!

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2008年12月17日 (水)

流行宣言

国立感染症研究所からインフルエンザの本格的な流行が始まったと報告がありました.現時点ではA型,B型,どのタイプが流行するかははっきりしていませんが,近畿地方,中国地方,関東地方などでインフルエンザ患者が急速に増えています.福岡県内では爆発的な流行までには至っていませんが,隣の山口県では急速な流行が認められており,注意が必要です.

自分の健康は自分で守るしかありません.手洗い・うがいの励行,マスクの着用,人混みを出来るだけ避けるなどは簡単に出来る予防法です.熱や咳の症状のある方は必ずマスクを着用するなど,他人に移さない様な気遣いも大切なマナーです.インフルエンザの予防接種を受けていない方は,今からでも遅くはありませんので,出来るだけ早く受けましょう.

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2008年12月14日 (日)

ビタミンC

今年もあと残り僅かとなってきました。最近は忘年会などで外出する機会も多く、なんとなく疲れが抜けきらない感じです。

今月は寒暖の差が大きく、風邪の症状で受診される方も増えてきました。インフルエンザに関しては、全国的には流行の兆しが見えてきている地域もありますが、福岡市内では爆発的な広がりは見られていないようです。ただ、周囲の診療所からはインフルエンザ陽性の報告もありますので、しっかり対策をとる必要がありそうです。

風邪の予防と言えば、以前から、ビタミンを多く取るようにと言われてきた方が多いと思います。特にビタミンCが風邪の予防に良いと思われている方も多いと思いますが、実は風邪の予防ではなく、のどの痛みなどの上気道炎症状の緩和や症状の持続期間の短縮に有用であると報告されているようです。

ちなみに厚生労働省が示しているビタミンCの成人1人あたりの1日摂取推奨量は約100mgですが、その数百倍の量を点滴で投与する『高濃度ビタミンC点滴療法』がマスコミで取り上げられています。現在ある治療法で効果が認められなくなった方に『高濃度ビタミンC点滴療法』を行ったところ、その生存期間が延長し、副作用もほとんどなかったという内容で、自費診療にはなりますが、国内の医療機関でも徐々に取り入れられています。たしかに、ビタミンCには、正常細胞には無害で、癌細胞の増殖を抑制する効果があるという研究が報告されていますが、それは試験管レベルの話であり、きちんとした臨床研究はありません。現在、米国国立衛生研究所の助成を受けた臨床試験が進行中で、その報告が期待されます。

とりあえず当院では、風邪対策のみならず、疲労回復や滋養強壮などにも効果があるビタミンB&C注射(世間で言う「にんにく注射」)やプラセンタ療法を上手く活用していきたいと思います。

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