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2013年7月

2013年7月30日 (火)

不妊治療の公費助成「43歳未満」

厚生労働省の検討会が不妊治療の公費助成の対象を43歳未満とすることで合意しました.

これには賛否両論あることと思います.

特に自費診療が多い不妊治療を受けておられる方々にとって経済的な負担は大きな問題ですから.

私個人的としてはこの年齢制限には賛成の立場をとっています.

日本産婦人科学会が2010年にまとめた生殖補助医療データブックによりますとART(生殖補助医療)による総治療あたりの妊娠率は女性の年齢25歳で27.7%,30歳で26.6%,40歳で13.6%,43歳で5.4%です.

年齢と共に,特に40代以降は急速に,妊娠率が低下することがお分かりいただけると思います.

上記のデータは妊娠率ですので,生産率はもう少し低くなります.

公費助成ということは税金で賄われるわけですので,厳しい言い方になるかもしれませんが,費用対効果は議論されなければなりません.

年齢や回数を制限せずに不妊治療に対する公費助成をすることは,現在の社会情勢から難しいのではないでしょうか.

アメリカやオーストラリアでは不妊治療を希望する女性が40歳を過ぎると「エッグ・ドナー」,つまり卵子バンクからの提供卵子を用いたARTを勧められるそうです.

それだけ不妊治療において卵子の老化は深刻な問題であるという事です.

「卵子の老化」について,現在の若い女性に正しい知識を持ってもらうような啓蒙活動も非常に大切になります.

最後になりますが,今回の不妊治療に対する公費助成のニュースの中で,男性因子の話題に触れられていない事に関して,男性不妊症の診療に携るものとして残念に思います.

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