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2013年11月

2013年11月22日 (金)

フィナステリドの造精機能への影響

男性型脱毛症(AGA)に関しては,有名芸人が出ているCMもあるので,ご存知の方が多いと思います.

AGAでは脱毛部分のジヒドロテストステロン(DHT)の濃度が高いことが分かっており,AGAの治療ではフィナステリド(商品名:プロベシア)が用いられます.

この薬は男性ホルモン(テストステロン)をジヒドロテストステロン(DHT)へ変換する5α還元酵素の働きを阻害し,DHTの濃度を下げる作用があります.

『Fertility and Sterility』という生殖医学専門雑誌の2013年9月号に「フィナステリドを内服している一部の男性で精液所見が悪化する」という内容の論文が発表されました.

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028213027866

ちなみにフィナステリドの精液所見に対する悪影響は服用を止めると速やかに改善します.

私自身も男性不妊症外来でこのような患者さんを経験したこともありましたし,男性不妊症を専門にしている医師の中ではこの内容は常識的な事柄です.

しかし,この研究が重要視されるのはprospective(前向き)研究で証明されたという点です.

フィナステリドを内服しているほとんどの方で問題となる副作用はないと報告されていますが,不妊治療を受けている男性,特に精液検査で異常を指摘された方はフィナステリドをすぐに止めるべきです.

AGAの男性の多くはフィナステリドを中止するのを嫌がるそうです.

私自身も頭髪が寂しい方ですので,AGAに悩んでいる方の気持ちは良く分かるつもりです.

しかし,「頭髪を失うか?不妊になるか?」なら答えは明らかだと思います.

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