精索静脈瘤に関する学会発表のご報告
11月3日に横浜で開催された第62回日本生殖医学会学術講演会と11月26日に下関で開催された第68回西日本泌尿器科学会総会で演題を発表してきました.
日本生殖医学会では『男性不妊症における顕微鏡下精索静脈瘤手術の治療効果:精子特性分析機による精液所見の検討』,西日本泌尿器科学会では『超音波断層法による精索静脈瘤の術前診断:男性不妊症における手術適応の診断基準について』というタイトルでしたが,2つの発表の要旨をまとめると以下のようになります.
- 男性不妊症における顕微鏡下精索静脈瘤手術の治療効果は,精子特性分析機で評価すると,①運動精子またはSMI(精子の質を表す指標)が2倍以上増加,②精液所見が正常化,のいずれかをクリアした症例が約70%
- 超音波検査の所見のみで手術適応を決定しても,手術成績は今までの報告と同程度
- 超音波所見では精索静脈の腹圧負荷による拡張と精巣周囲の静脈拡張の所見が重要である
- 今後の症例の積み重ねによりガイドラインの策定に期待したい
会場からの質問もいくつかあり,良い意見交換が出来ました.
精索静脈瘤手術は男性不妊症治療の中で有用な選択肢の一つです.
これからも自分の得意分野をさらに充実できるように努力していきたいと思います.
| 固定リンク
コメント