非閉塞性無精子症でAMHが低い場合,micro TESEで精子採取率が高くなる?
特発性非閉塞性無精子症(iNOA,原因不明の非閉塞性無精子症)に対する治療として顕微鏡下精巣内精子採取術(micro TESE)が広く行われていますが,精子採取の予測因子に確立されたものはありません.
Y染色体微小欠失検査は,精子採取率が 0 %の症例を術前に発見し,無駄な手術を避けるための検査です.
また,超音波検査により精細管の太さを評価する報告がありますが,定量化された方法ではなく,広く普及していません.
今回,Human Reproductionという医学雑誌に抗ミュラー管ホルモン(AMH)がmicro TESEにおける精子採取率の予測因子として有用であるとの報告が掲載されました.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37322566/
要約すると,iNOAで術前の血中AMH値が低い症例ではmicro-TESEにおける精子採取率が高く,AMHのカットオフ値を 4 ng/mL未満に設定すると予測精度が高くなるという報告です.
患者背景などの問題点も指摘されていますが,興味深い内容です.
血中AMHは男性では保険適用外の自費検査となりますが,5000~8000円で施行できます.
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